ファミマル公平のひとり言

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2016年12月16日

「 柴田純著「江戸のパスポート」から。 」

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弱者救済の役割もあった、江戸時代の『通行手形』・・・


 江戸中期、庶民の旅が急増した。背景には通行手形の普及があった。


村役人や寺などが発行するこの手形は旅行者の身分を保証しただけでなく、


旅先で病気などトラブルに見舞われた場合に国元まで送り返してもらえるといった


恩恵もあった。身分証明と保護救済の機能を併せ持つシステムを、


著者は江戸の「パスポート体制」と名付け、その実態を明らかにする。


 例えば西国巡礼に出た美濃国(岐阜県)の50代の女性は、仲間とはぐれたうえ


足を痛めて困っていたところ、宮津藩領(京都府)の農民に保護された。


所持金はなかったが通行手形を携帯していたおかげで、


わずか6日後には、国元に送り出された。道中では食事などの世話も得られた。


 一方で手形を持たない旅人、勘当や追放令などで「無戸籍」となった者には、


以前よりもひどい扱いをした。


 やがて偽造が増え、飢饉で故郷を出奔する行き倒れが相次いだ天保以降は、


手形発行の規制が厳しくなり、旅人も減少した。興味深いのは手形のシステムが、


仏教や儒教にある弱者救済の教えをもとにされていたという点だ。このパスポート体制が、


明治に入って1882年に廃止されたが、その原点となった思想を忘れるべきでないと、


本書は強調している・・・(吉川弘文館・1800円)


PS:「弱者救済」、いくら時代が進もうと忘れてはいけない言葉である・・・


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