ファミマル公平のひとり言

戻る

2020年01月27日

「 一冊の本よりも、おもしろいと思う記事です・・・ 」


 もがくヤマトとセブン

 (日経1月20日「経営の視点」から(編集委員・田中陽)



 便利追及、重なった誤算。


 今からちょうど44年前の1月20日、関東一円でヤマト運輸による小口貨物の


特急宅配システム「宅急便」が始まった。当日の発送個数はわずか11個。


その後も数字は伸びず、生みの親の小倉昌男氏は本誌「私の履歴書」で


こう記した。「内心、厳しいなと思う」。それが今では年約18億個。


業界では43億個になる。


 宅急便が生まれる2年前、セブンイレブン・ジャパンの1号店が産声を上げた。


酒販売から転換し、もし失敗したら原状回復する約束だった。やはり滑り出しは


決して、順調ではなく、創業者の鈴木敏文氏は「私の履歴書」で「このままでは


行きづまる」と危惧したが、次第に繁盛店へ。コンビニは10兆円市場となり


5万9千店が営業する。 ヤマトとセブン。昭和のほぼ同じ時期に事業を開始し、


生活に溶けこむまでになった。社会インフラ、ライフラインとも呼ばれ、


なくてはならない存在となった両者がやはりほぼ同じタイミングで苦境にある。


 理由も相似形だ。「お客さんのため」という錦の御旗のもとで、利便性を追求した


サービスや商品の連打が皮肉にも(あだ)となった。大和は翌日配送、クール


宅急便、ハイ配達など。セブンは24時間営業、公共料金の収納代行、


鮮度追及の商品など、ともに枚挙にいとまがなく、生活者が喜ぶものばかり。


だから成長してきたが「お客様のため」が積み重なると巡り巡って自らの首を


閉めるようになってしまった。


 合成の誤謬(ごびゅう)だ。 ※(考えや知識などのあやまり)


見謝ったのは労働集約的な現場の負担の大きさだ。本社、本部は精密な


情報システムで現場を支援してきたつもりが、人手不足もあり混乱を招いた。


「先手観音でないとさばけない」と悲鳴も上がった。追い打ちをかけたのが


こうした停滞を一時的な足踏みと読み違え、抜本的な改革に手が出なかった。


 問題の本質は「お客様」の価値基準の変化に気づくのが遅れたこともある。


ヤマトの場合、玄関先で手渡しするのが「お客様のため」であったが、、今では


玄関先での今では玄関先での受け渡しをストレスと感じ、再配達を申し訳なく思う


人が多くなった。セブンの24時間営業へのこだわりに対して生活者は時短営業に


理解を示し始めている。高齢社会に伴う生活習慣の変化だ。


 また食品の廃棄ロスには厳しい視線が注がれるようになった。売り逃しを


防ぐために売れ残りを前提とした品ぞろえ。そんな必要悪はもはや許されない。


 両社は今、もがきながら新たなビジネスモデルの構築を模索している。


セブンより先にヤマトが動き方や運び方、受け取り方の改革に本格的に


取り組み始めたものの、まだ途上だ。セブンは店舗運営を見直しているが


実験段階にとどまっている。


 生活者の利便性の捉え方は時代とともに変化する。社会環境の変化を


嗅ぎ取る感度も極めて高く、ネット社会がそれを加速させている。


昭和と令和の「お客様のため」から令和の持続可能な「お客様のため」に


どう作り直すのか。生活者の感度のついて行けず、合成の誤謬に陥ちて


しまっているのはヤマトやセブンだけではないはずだ。


PS:編集委員・田中さんの最後の言葉、

  「ヤマトやセブンだけではないはずだ」が

   ストン!と腑に落ちました。

   これからのニッポン・・・


.

.

.


    



コメントを投稿

( コメントを表示する前に承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。)



FCコンビニエンスストア経営 有限会社公平事務所
今月のランチミーティング コンビニエンスストア加盟店の親睦会です。詳細はこちらから。

過去の記事

フィードを取得